「一応さんきゅ」

「あ?」

「心配してたみたいだし?」

和真は優しい。

「お〜」

何考えてるかよく分かんないんだけど。

「でさ、華鳳凰の文化祭のことなんだけど…多分ふたりともカップルレースに出されると思うんだよね」

「カップルレースぅ?」

「そ、詳しいことはまた明日〜。アニメの再放送始まっちゃうから帰るわ」

「ちょ…かずまぁ?!」

バタン…

戸が閉まる音だけが響く。

「なんのアニメなんだ…?」

そしてカップルレース…

「って、何?」