とある朝。

三木は危険だからと言って一週間ほど朝のお迎えを止めろと言った。

つまり一人で登校中。

「やっと俺にも静かな朝が――…ひょえ?!」

キィィィッ

いきなり目の前から人が飛び出してきて、俺は思いっきりブレーキをかけた。

「ゴメンナサイ!」

引きそうになったのは、
同い年くらいの美少女。
アッシュ系のロングヘアーに黒いワンピースを着ている。

三木とは真逆の美人系か…

「いや…こちらこそ」

「まぁっ!」

その少女は驚いたように俺を見る。

俺は意味が分からなくて首を傾げた。

「わ…たく…し…」

「はい?」

「私、貴方のようなツリ目!すごい好きですわ!!」

「は、はぁ…」

ツリ目…ね…
うん。ツリ目ですが何か?

「貴方、学校は何処ですの?」

「宮が丘高校ですけど…」