「………」

汗が一筋背中に伝う…

「兄貴…」

三木はすばやく俺から離れて、要さんの前に立った。

「梢、大丈夫か?」

「え…?あ、あぁ…」

「貴様、可愛い妹を嫁入り前に汚しやがったな…?」

「いや…そんなつもりは…」

やばい。

この目は…人を殺ったことがある目だ!!

「問答無用!」

「お邪魔しました――!!!」

俺はダッシュで要さんの横を通り過ぎて三木家から逃げ出した。

「待たんか―――!!!」

要さんの声が家から聞こえるが無視!待つ馬鹿が何処にいるんだっつーの!

ダッシュで自転車に乗って逃げる。

「三木すまん!」

逃げないと殺られるんだ!

俺はなんとか逃げきって、そのまま家へ直行した。

その日は1日三木家のことで頭がいっぱいだった…