君がいなくなってから、もうどれくらい過ぎたんだっけ。

まあ、そんなこと考えるまでもなく俺が一番知ってるんだけど。

君と笑いあった日々、君にいろんなことを相談したり、君が辛いときは相談に乗ってやったりした日々。

今思えば、いろんなことがあったよな。

君と出逢ってから、毎日が輝いて見えた。

学校に行くのが楽しくなって、会えない日が寂しく感じて。

別に、これと言って自分が不幸なわけじゃない。

普通で、いいことないかな、なんて考えてるような平凡な高校生。

そんな俺だけど君と笑い合う日が、話し合う日がとても楽しくて。

確か、君は漫画を描いてたんだっけ。

恥ずかしいからって、誰にも相談できなかったんだよな。

後から俺に相談するようになったけど。

絵が本当に上手くて、どうして漫画の賞がとれないんだろうって、いつも思ってたよ。

その代わり、賞がとれたときは本気で喜んでたよな。

ほっぺを真っ赤にして、口もとにしわがよるくらい大きく口を開けて、

「賞、とれたよ!」

って言うんだ。

たかがB賞じゃん、なんて笑ってたけど、今思えばすごいよなあ、とか思ったり。

別に付き合ってたわけじゃないよ。

もともと一人っ子の俺からしたら、妹ができたみたいで楽しかっただけ。

君に一番近くて──一番遠い存在だったのかな。