『なつきちゃんっ』
誰...?
『ぼくねっ、なつきちゃんのおむこさんになるのが夢なんだっ』
誰なの...?
『きっとまたいつかあえるよっ』
これは夢...?
『だから、だからね...』
夢なら覚めないで...。
『...あっ、ぼく、もう行かなきゃ』
待って、あなたは誰なの...?
声が出ない...。
『なつきちゃん、ばいばいっ!』
_____。
「...つき...」
あれ?お母さんの声?
ってことは、あれは夢だったの?
変な夢だったなあ...。
「な...き...つき...」
ていうか、なんなの?お母さん、うるさいなあ。
「「夏樹!」」
「は、はいいっ!」
突然の大声に、あたしはベットから飛び起きた。
「えっおか、お母さんっなにっ?」
あたしは目をこすりながらお母さんを見上げた。
え?お、怒ってる...?!
「何って、夏樹!今日は入学式でしょう!」
「えっ?」
にゅうがくしき、にゅうがくしき...
にゅ、入学式!?
「そうだった!やばいっお母さん!送って!」
あたし、水瀬夏樹。
今日から高校生になります。
