最初、その村に足を運んだのは、高野理一だった。毎日、マンガを読んでいるもので、ニュースは全く観ていない。なので、世界中に広まった村人殺人事件も、何も知らないのであった。

「何だ。廃墟があるだけじゃねえか。」

とせせら笑い、村をあとにした。その時、廃墟の陰から一人の女が睨んでいたのは、誰も気づかない。
その三日後、理一はまた村に足を運んだ。

「やめておけ、呪われるぞ。」

と言われたのだが、これまたせせら笑って振り切った。

それを最後に、理一は消えた。帰って来なかった。




「アイツは、また俺を操ろうとしてるな」

そう言うのは、理一に村に足を運ぶのを止めようとした、理一の友人、佐野雄二郎だった。何せ、小さい頃から騙されてきたもので、つい最近も騙されたのだ。もう引っ掛かれない。まあ、確かに心配ではあるが、ここで電話を掛けたらまた騙された事になってしまう。でも、今回は違う気がした。彼の嫌な予感は、的中した。