いつものように、私の手のひらには、列の人の数だけ重ねられたプリントの束

届ける先の君はいつも。

私の瞳を避けるように

斜め後ろに体を向けて、その先の友人と笑顔を浮かべて話してる。

だから私は、息をひそめて。

ちらりと君を瞳に映して、その机にそっと束を滑らせる。

ここで、傷つく素振りを見せてはいけない。

それだけは、絶対にしてはいけない。

御伽話に誘われて、夢みるままに想いを満足に伝えることなく、儚く散った私には。

気にする素振りは、許されない。