それは本当に突然の出来事だった。



いつも通り桜湖と話している時に起きた。



ーカランッ



「え…?」



最初は今の何?って思った。



どうして手に持ってた物が落ちるの?って思った。



でも、すぐに分かった。



私は、もう長くないんだ、って…



桜湖には滑らしちゃったって言ったけど、本当は力が入らなかった。



これから、嘘が多くなっていくんだろうか…?



桜湖や冬響に心配をかけたくなくて、私は大丈夫だよって言い続けるのだろうか?



嘘なんて、2人にだけはつきたくない…



でも、他に何かあるわけではない。



だったら、正直に話せばいいの?



正直に話したとして、2人にとって大きな重荷になるんじゃないの?



どれだけ考えても出てこない答え。



私はどうすればいいんだろう…