「てゆうかさ、
なんでそれで付き合ってないの?」


学校の帰り道、
待っていてくれた里佳と
早速スーパーに立ち寄った。


「うーん、
特に深い意味はないと思うよ?
陽一にしたらただ私が
扱いやすいからじゃないかなぁ」


そう口では冷静に言ってても
顔は自然とにやけてしまう。


「聞いてたら普通のカップルじゃん、
しかもバカップルの方。

むしろユメがこんな楽しそうなの
初めて見た気がする」


里佳の毒舌も頭に入らない程ウキウキしながら食材を選ぶ。

それでもなかなかメニューが決まらない。



「ねぇ、何作ったらいいかな?
いきなり凝った料理も引くかなぁ」


「先生は何が好きなの~?」



そういえば

陽一の好きなもの何も知らないな。




てゆうか、

陽一の事自体
何も知らない事に気がついた。






「でも、
これから知っていったらいいか」









スーパーを出て里佳と分かれて、
軽い足取りで陽一の部屋に向かった。