…わかってた…?
将人の言葉の意味が理解できない。

私は自分の気持ちに気づくのが
こんなに遅くなったのに

将人は気付いていたの?


言葉もでない私に
将人は独り言のように
小さく呟く。


「ずっと昔からユメを見てたから…。

ユメは初めから
陽兄ちゃんしか見てなかったから…

それでも…陽兄ちゃんが居なくなって…
俺を見てくれるかもしれないって…

………期待したんだ」


「…将人…」


「ユメは優しいから…

その優しさに付け込んで
悩んでるユメを離さなかった。


ほんと、勝手だよな」


……将人の声が震えているのがわかる。



「…将人…」



「今までありがとう。


すごく幸せだったよ。

ただの幼なじみに戻ろう。」




そう言い残すと
将人はふぅ、と小さく息を溢して
私に背を向けて出て行った。



私は、
その姿を見送ることしかできなかった。







…ずっと一緒だった。

いつも一緒で姉弟のように育って。




将人の事、好きだったのも

嘘じゃなかったんだよ…



将人と一緒にいた時間は
本当に幸せだったんだよ。



本当に……ありがとう…。