「どうかした?」

「ううん、
デートって新鮮だなぁって思って」


私の歩くスピードに合わせて、
自然に並んで歩いてくれる。


多分、これが普通の光景なんだろう。


教師と付き合ったとしても
こんなふうに堂々とデートはできない。


色々なことを我慢しなければならない。




「篠崎、
これ篠崎に似てるからあげる。」





功太くんが渡してきたのは

【チンアナゴ】の縫いぐるみ。



「…似てるの?
私に?」


「うん、
目が大きくて可愛い」


「恥ずかしいよ!!
でも、ありがとう!」



いつもの調子の功太くんに笑顔を返してそのぬいぐるみを受け取った。