ガサ……ッ

ダン、ダン、ダン…!!




慌ただしい騒音を感じて
意識が現実に引き戻された。



「……何?」



徐々に近づいてくる音に
動揺しながら目を凝らして
音の先を見つめた。





「……ユメか?」


その音の先には汗だくになった陽一が息を弾ませていて。



「………やっとみつけた…」

「陽一……!!」



ほっとした顔をして近づいてくる陽一の胸に無我夢中で抱きついて



「こ…
怖かったよぉっ……っ…」



その言葉と同時に
一気に我慢していた涙が溢れだした。



「………遅くなって悪かった」




泣きじゃくる私を優しく抱きしめた陽一は


「よく一人で頑張ったな」


そう言って頭を撫でてくれた。






久しぶりに触れた陽一は

汗でびしょびしょで冷たくて温かくて





強くて大きくてやさしくて



あの頃と変わらなくて凄く安心したんだ………。