あの電話からどれくらいの時間が
たったのかな。



スマホの時間を見ると17:30

もうすぐ5月にも関わらず
森の中だからかもう暗くなってきてる。



陽一の言いつけを守って、
その場から一歩も動かなかった。


足もジンジンと痛む。
虫のカサカサとした音と鳴き声。

本当は一秒だってここにいたくないよ。




「陽一…遅い…」




スマホを何度確認しても
あれ以降はずっと圏外で
連絡の取りようもない。


本当に見つけてもらえるのか
不安でたまらない。





「………寒い………」




どうすることも出来なくて
静かに目を瞑った。