「……いたたた…」
ぎゅっと閉じていた目を開くと
目の前は薄暗い森で
「…ぃた…っ」
滑り落ちた衝撃で靴は脱げ、
その足の関節がズキズキと痛んだ。
「…捻ったのかな…」
握りしめた手のひらには無事に拾えたスマホが。
「靴、どこ行ったんだろ…?」
毎年の行事でなれている土地でも、滑り落ちてしまった場所は勿論分からなくて。
「こういう時って
どうしたらいいんだっけ…」
周りの木々につかまりながら何とか歩こうとしても捻った足に響いてすぐにまた座り込んでしまう。
ザワザワザワ…
ガサッ
皆と居た時には感じなかった
周りの音がやけに大きく聞こえる。
空を見上げても木々が
生い茂り邪魔をして薄暗い。
痛みと恐怖で身体が震えて、
その場から動けなくなった。
「…っ、
誰…か…」
ブブブ…
手のひらのスマホから
振動を感じて確認すると
画面には里佳の文字があって、
すがるように電話をとった。
「もしもし里…『お前!
どんだけどんくせぇんだよ!』
『そこ動くんじゃねぇぞ?
絶対見つけてやるからな!』
その声の主は陽一だった。
山の中の繋がりにくい電波の先で、
暴言を吐きながらも
焦った口ぶりの陽一の声を聞いて
少しだけ安心して必死に頷いた。
ぎゅっと閉じていた目を開くと
目の前は薄暗い森で
「…ぃた…っ」
滑り落ちた衝撃で靴は脱げ、
その足の関節がズキズキと痛んだ。
「…捻ったのかな…」
握りしめた手のひらには無事に拾えたスマホが。
「靴、どこ行ったんだろ…?」
毎年の行事でなれている土地でも、滑り落ちてしまった場所は勿論分からなくて。
「こういう時って
どうしたらいいんだっけ…」
周りの木々につかまりながら何とか歩こうとしても捻った足に響いてすぐにまた座り込んでしまう。
ザワザワザワ…
ガサッ
皆と居た時には感じなかった
周りの音がやけに大きく聞こえる。
空を見上げても木々が
生い茂り邪魔をして薄暗い。
痛みと恐怖で身体が震えて、
その場から動けなくなった。
「…っ、
誰…か…」
ブブブ…
手のひらのスマホから
振動を感じて確認すると
画面には里佳の文字があって、
すがるように電話をとった。
「もしもし里…『お前!
どんだけどんくせぇんだよ!』
『そこ動くんじゃねぇぞ?
絶対見つけてやるからな!』
その声の主は陽一だった。
山の中の繋がりにくい電波の先で、
暴言を吐きながらも
焦った口ぶりの陽一の声を聞いて
少しだけ安心して必死に頷いた。
