「付き合いだして1年、だっけ?
いつまでもラブラブでいいよねー」
そう、
将人が高校に入学した日に
私達は付き合いだしたんだ。
あの日も今日みたいに桜がちらつく日で。
『ユメ。
高校に入学したら言おうと思ってた。
ユメが好きなんだ。
これからは彼氏としてユメの隣にいたい。』
あの日のことは今でも鮮明に思い出す。
あの時の緊張感、
将人の照れた顔と、
繋いだ手のぬくもり。
あの日から将人は私の特別になった。
「あ、見てみてユメ!
新しい先生格好よくない!?
うちらのクラスの担任だって!」
興奮した里佳に背中を叩かれて
はっと我に返った私は
教壇で自己紹介をしている教師を見て一気に手に汗が滲んだ。
動機が激しくて息が苦しい。
だってもう会わないと誓った陽一の姿がそこにあったから。