「将人!おはよう!
うちのクラスもうあっちに集まってるよ!早く行こう!」


将人の姿を見つけてすぐ声をかけてきたのは将人のクラスメイト兼サッカー部のマネージャー、木下和佳奈ちゃん。

いつ見ても本当に可愛い。



「篠崎先輩、
おはようございます。」


将人の腕を掴みながら敵意がこもった目で私を見据える。


「うん、おはよう」


誰がどう見ても木下さんが将人を好きなのは明白で、こんな時どんな顔したらいいかわからない。

この子の気持ちを
将人は知っているのかな?


「じゃぁ帰りに迎えにくるよ」

「うん、ありがとう」


一人になって体育館に入ると遠くの方で友達の里佳が手を挙げて私の事を呼んでくれていた。



「相変わらず仲いいねあんたたち。」

「もー見てたなら声かけてよ恥ずかしいなぁ」

「手繋いでいい雰囲気だったからさー。

でもあの雰囲気に割り込んでくなんてあの後輩なかなかやるねぇ

あんたも十分綺麗で可愛いけどぼーっとしてるからああいう元気な子に一気に取られちゃうよ?

まぁ将人くんもイケメンなのに基本のんびりだから逆にあんたが合ってんのかもだけど。」

「里佳…
バカにしてるでしょ…」


はっきり物を言うマシンガントークな里佳。

いつもいつも痛い所を突いてくる。