憧れの彼は

いつもより、10分早く来ました。

彼は来てくれるでしょうか。

後ろで物音がします。彼が来たようです。

「おはようございます、佐々木くん」

予想通り彼がいました。

「おはよ」

とても優しい声です。彼は自転車を止めました。

「実はね、大切な話があるんだ」

え、えええ?

「あのね」

彼の瞳が私をじっと見つめます。

「っっっ!!」

ば、爆発寸前です!

「綾野さん、好きです。君も俺のこと好きでしょ?」

ええええ?なんですか、その自信満々な声それに…なんです?好きですって…???

「ええっと…?」



「君は僕のこと好き?」

「…っ、はい」

彼はほんとに嬉しそうに笑いました。そして…

「んっ」

彼のたくましい腕が私を抱きしめます。

「好きです綾野さん。君が絆創膏をくれたあの日から。きっと一目惚れだ」