他の子供達も知ってる。
「しいちゃん、リッくん、ゆめみちゃん、はじめちゃん…うわあ、懐かしい…」
今はもう交流がないけど、同じ町に住む幼馴染み達。
これは、子供会で撮った写真だ。
小学6年生の私が1番年長で、班長さんだった。
写真の中の私は、3歳くらいの男の子と手を繋いでいた。
スッキリした目鼻立ちの坊主頭のこの子だけ、どこの誰だかわからない。
「この子、誰だっけ…?」
私の独り言を稲子さんは聞き逃さなかった。
「その子は、うちの孫。息子一家が遊びに来ててお祭りに行ったのよ。ちょうど子供会の子供達が集まっていて。和香子ちゃんが面倒見てくれたの。覚えてないかしら?
聡太君、聡太君ってすごく可愛がってくれて、金魚すくいなんか一緒にやってくれたのよ」
「聡太君…」
あまりの驚きに私は言葉を失った。
私は自分を抱きしめるように腕を交差させた。
「嘘でしょ…」
全身に鳥肌が立ち、身体が浮いてしまうような感覚。
そういえば。
古い記憶が蘇る。
よそから来た幼い男の子は、祭りを楽しむ地元の子供達の中で、不安そうにキョロキョロしていた。
『ボク、迷子にならないようにお手手繋ごうね』
班長だった私は、その柔らかくて小さな手を握った。

