まさか、奥で倒れてたりして…?
10分後。
パタパタと足音が近づいてきて、ホッと一安心。
「ごめんなさい。もお、物忘れがひどくて、どこに仕舞ったか忘れてしまって。孫の携帯にまで電話しちゃったわ。ああ、でも良かった、見つかったわ。これこれ」
稲子さんは一枚の紙切れを差し出した。
「ほお」
爺ちゃんも一緒になって身を乗り出した。
稲子さんの『孫』という言葉に、私の心臓の鼓動が早くなる。
もしかして、それって聡太君のこと…?
それとも聡太君の兄?お姉さん?
または妹弟?(聡太くんがひとりっ子だとなぜか思い込んでたけど)
「見て。これね」
稲子さんの正座した膝元に置かれたのは、少し褪せた古い写真で。
祭りの屋台が並ぶ昼の風景をバックにやんちゃざかりの子供達が6人並んで写っている。
「これ、和香子ちゃんですよ」
稲子さんはニコニコしながら、1番端に写っているひまわりのワンピースを着た女の子を指差した。
「えっ!」
私は写真を手に取り、大きな声を上げてしまった。
そこにいた三つ編みの女の子は小学6年生の私。ひまわりの服は、夏休み直前に出来たばかりの大型ショッピングモールで買ったもので、とても気に入っていて毎日のように着ていた。

