ビオラ、すずらん、年下の君

クックパッドで検索して、聡太君に喜んで貰える軽食を作ってあげたいなあ。
少しでも力になってあげたい。


「うん、そうね、作ってあげようかな」


歌うように返事をする私に母は満足そうにウンウン、と頷いたあと、手のひらをポン、と打った。


「そういえば、昨日、聡太君のお婆ちゃんのお見舞いに行ったのよ…お爺ちゃんがね、行こう行こうって言うし、1人だと恥ずかしくていけないみたいで。笑っちゃうわ。イイ年してね。

病状は安定してるし、同室の友達も出来たみたいだから、心配要りませんって聡太君は言うけど、やっぱりどんな様子が気になってたから」


12朝ご飯を食べながら母の話を聴いていた私は、こりゃ長くなるな、と悟った。

専業主婦であるうちの母上は井戸端会議の達人だし。適度なところで合いの手を入れないと、ぐるぐる同じことばかり繰り返して、話が先に進まなかったりするんだ。


「…で、お婆ちゃんはお元気だったの?」

「あ、少し痩せたみたいだったけど、顔色は良かったわよ。友達も出来たし食事も美味しいって。

ただ、低血圧がなかなか改善しなくて、退院を止められてるみたいなの。聡太君のこと、とても心配しててね。

でもこんな体調で家に戻っても返って聡太君に面倒かけちゃうから、うちで預かって貰えて本当に助かります、ありがとうございますって何度も何度もお礼言われたわ」