Share Heart

「ねぇねぇ!みんなで写真撮ろうよ!」

そう言い出したのは望田だった。

そしてバッグから出したのはセルカ棒。

いかにも女子高生だ。

私はそんなの持ってないし。

自然と固まり、カメラに収まろうとする。

女子が前、男子が後ろになった。

「ハイチーズ!」

そのかけ声とともにシャッターが押される。

「見せてください!」

私は木野と一緒に望田のスマホをのぞきこんだ。

うわぁ、こういうところに女子力ってでるのかな?

そう思った写真だった。

それはとったポーズにある。

望田がとったのは今はやりのむし歯ポーズ。

もともと小さいのにさらに小顔に見えた。

そして木野はかわいらしくウィンクをして、舌をペロッと出している。

対して私はただのピース。

中学校のときはピースをすればある程度可愛く見えた。

周りはみんなガチガチ系の女子だったし。

なのに1歩外に出てみると世界は違った。

こっちが平成だとすると、中学は江戸ぐらいだったのかなと思うくらい。

ピースがなぜだか地味に見える。

といっても、男子もみんなピースなんだけどね。

写真を撮り終わると、望田と木野は大はしゃぎで浮き輪を持ってプールに入ろうとした。

浮き輪は女子を待ってる間に男子が膨らましておいたものだ。

私はなんだか気分がのらなくて、近くのベンチに座った。

隣に神無月が座る。

「入らないのか?」

「気分がそういう気分じゃなくて…」

「この間のこと気にしてるのか?」

「いや…そういうんじゃないんですけど…」

「じゃあ何だ?」

何だ?

何だって何よ?

気分なんだから、理屈なんてないでしょ?

「花音は何のためにここに来た?あいつらとプールに入るためだろ。」

「そうなんですけど…じゃあ、そういう悠紀さんは何のために来たんですか?水着着てないし、プールに入る気さらさらないじゃないですか?」

ある意味仕返しだった。

何でだろう。

嬉しいときは言葉がつまるのに、ムカつくときは言葉が溢れ出してくる。