Share Heart

電車に乗ってもそれは変わらなかった。

神無月のことは知りたいと思った。

でも、それ以上に恥ずかしさが先に来て、聞けなかった。

勇気が少しばかり足りなかった。

そんなとき

「花音は泳げるのか?」

と聞かれた。

その相手はもちろん神無月だ。

「あっ、はい。さすがにバタフライは出来ないですけど」

自虐ネタに少し笑みがこぼれる。

「そういう悠紀さんはどうなんですか?もしかしてすっごい得意とか?」

「いや…俺は泳がない。」

「えっ?」

泳がない?

泳げないんじゃなくて?

意味深な言葉が引っかかって、なかなか飲み込めなかった。

まるで魚の小骨みたいに。

見た目では大したことはないのに、飲み込もうとしても上手くはいかなくて。

「…そうなんですかーなんかすいません」

今の私には軽く流すぐらいしか出来なかった。