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シェアハウスを出ると、そこには木野と島井が並んでいた。

改めて見るとお似合いのカップルではないか。

「こんにちはー!今日はお願いします!」

これは私を含めたみんなへの挨拶。

倉谷はいつも通りニッコリ笑顔だが、神無月もまたいつも通りの仏頂面。

初めて部屋に行ったときにはちょっと笑ってくれたのに。

それにシェアハウスではいつもここまでは無愛想じゃなかったのに…

やっぱりシェアハウスの住人は家族みたいなものだから特別なのかな?

私たちはちょっとした集団になりながら、駅へと向かった。

先頭は望田と倉谷が歩く。

この2人はこれから行くプールのことを調べてくれて、案内役だ。

その後ろに木野と島井と今原。

楽しそうにワイワイと。

そして最後に私と神無月がいた。

私も真ん中レーンに行きたかったのだが、神無月を1人にしておくのも気が引けてこうなった。

神無月はさみしがりやだって倉谷言ってたし…

この間のお礼もしたいし…

「あの…」

神無月は黙って私に目を向ける。

「この間はありがとうございました、助けてくださって…」

「本当にバカだったな」

グサっと胸に刺さることを言うな!

「あそこらへんは危ない奴らがよくうろつくんだ。もう行くなよ。」

「あっ!はい!あの…悠紀さんってこの辺詳しいんですか?」

「少なくとも花音よりも住んでるからな。」

それもそうか。

私よりも2年多くあそこに住んでるから、確実に私の知らない何かをもっとたくさん知ってるだろう。

「…慣れたか?」

「へっ?」

「ここの生活」

「あっ!はい!みなさん仲良くしてくださって…今日の水着も愛瑠とはるちゃんと買いに行ったんですよ。」

「あー…似合ってるよ」

…褒めてくれた。

私はそれだけで嬉しくて、体温が上昇しているのがわかった。

「あっ、ありがとうございます!」

それからは何話せばいいのかわからなくて、ただただ並んで歩いた。