イージーGeek

〝もう少し手を繋いでいられる〟
というのは本当にもう少しで
すぐに私の家の前に来た。

「今日はありがとうございました。」

そう言って私は少しお辞儀をした。
先輩は笑顔で

「おう」

と言った。
もう少しいたいけどなぁ。
そんなことを思っていたが
そうはいかず。
先輩は

「じゃ、また学校でな」

そう言って手を上げて
踵を返し、歩いて行った。

曲がり角。
もう少しで先輩の
後ろ姿も見えなくなる。

__もう少し__

私は走り出した。
先輩が足音に気づいて
こちらを振り返る
そこに抱きついた。

「おぉ!?」

先輩はびっくりしていたが
すぐに抱き返して

「ん、どした?」

と聞いてきた。

「もう少しだけ。」

と私が言うと先輩も
「ん」と返事をした。

私は恵まれすぎている。
不運にも天涯孤独になった
私をこんなにも
好きでいてくれている人がいる。

これほど幸せなことは
どこを探してもないだろう。
私は幸せ者だ。