姉さんはメイクが
すごく早かった。
今までやったことない私は
変な液体や、変な粉など
いろいろ付けられて
少し嫌な感じだ。

「はい、終わったよ〜」

……何コレ可愛いっ!

鏡を見ると全然違う
可愛い私になっていた。
こうしてみると世の中の
女の子が化粧をする
意味がわかる。

「うん、可愛い可愛い〜!」

姉さんは私が写った
鏡を見て言った。

「じゃ、私はもう寝るね〜
おやすみ、美穂ちゃん〜」

「あ、ありがとうございましたっ」

私が言うと姉さんは振り返って
笑顔になって部屋を出て行った。


…………よしっ!
準備完了っ!
時刻は午前5時。
外も明るくなってきた。

ドッドッドッドッ

ここまで来て心臓がなり始めた。
うぅ、き、緊張する。
いや、大丈夫!
鏡を見て自信がつく。
メイクバッチリだし!

ドッドッドッドッ

あー緊張する。

という、心臓の音→緊張
→鏡を見る→安心→心臓の音

のループを何回も繰り返して
いい時間になった。
家族とご飯を食べて
着替えをした。

私の顔を見たお母さんと
お父さんが驚いていた。
着替えを済ませて玄関に立つ

「頑張れ〜美穂ちゃん〜」

後ろから姉さんがそう言った。

「ありがとうございます。
行ってきます!」

そう言って精一杯の
笑顔で玄関を出た。
そして玄関には
蓮司先輩が立っていた。
おぉ、おしゃれだ。
カッコいい…。

「おう」

先輩は目をそらして手を上げた。
あれ、この格好…変かな?
いや、岡野が選んだんだ!
そんなはずはない!
というか蓮司先輩
ほんとカッコいいなぁ。
やばい、顔がニヤける。

「おはようございます。」

平常心を装って挨拶をする。
まぁ、当たり前だ。
学校で1番かっこいいと
言っても過言ではない人と
デートをしているのだ。
仕方ない。