朝起きて玄関を出る。
いつものように蓮司先輩が居て
一緒に歩いて登校する。
……なんで聞けばいいのだ…?
私は下を向いて考えた。

「あ、おい危ねぇって」

そう言って先輩がグイッと
私を引っ張った。
前を見ると電柱があった。
下を向いてたから気づかなかったのか。

「あ、ありがとうございます。」

だめだ。モヤモヤする。

「せ、先輩」

私は言った。
先輩は「ん?」と言ってこっちを向く

「先輩は…その、独占欲とかって
あったりしますか…?」

私が言っ

「あるよ」

早っ…
あるのか…。

「まぁ、付き合ってんだし。
それくらいあったって…うん、
普通、だと思うぞ。」

そう言って先輩は赤くなった。
そうか。普通…か。
〝好きならそれでいーと思うよ〜〟

「……先輩は…私のこと好きですか?」

私が言う。顔は…見れない。

「好き…だ。」

分かっていた。
でも、言って欲しかった。
独占欲がなくてもいいと
思いたかったから。

昼休み。
いつものように岡野と屋上へ行く。
先輩は少し遅れて来た。

「あたし、ちょっと
トイレ行ってくる!」

岡野は私にバチッとウインクをして
歩いて行った。