蓮司先輩と一緒に家まで
歩いて玄関に入る。
姉はまだ帰ってきてないようだ。
私は自分の部屋で椅子に座って
宿題をしようとした…。
でも、全く集中できない。
独占欲…独り占めしたいとか
自分のものにしたいという欲のこと。

モヤモヤしたまま時間が過ぎていった。

「ただいまぁ〜」

姉が帰ってきた。
私は急いで姉の部屋に入った。

「やぁやぁ、美穂ちゃん、
どーしたのかなぁ〜?」

姉さんはコートを
ハンガーにかけながら言った。

「む、夢波さん、独占欲の無い恋は
恋じゃ無いんですか?」

私が言った。

「………………うぅん…。」

椅子に座ってうつむいて言った。

「お姉ちゃんって呼んでっ」

目を光らせてこっちを向いて言う。
そんなことを聞きたいんじゃないっ。

「んー、独占欲…独占欲かぁ〜。
そだね〜……まぁ、恋の全てが
独占欲なわけじゃ無いよ〜。」

姉さんは少し考えて言った。

「独占欲があれば恋ってわけじゃ
無いし、恋に必ず独占欲が
あるわけじゃ無いんだしさ〜。」

そうか、それなら恋に
間違いないのだな。

「でも、普通はあるもんだよね〜。」

姉さんが言った。
普通…か。

「美穂ちゃんは無いの〜?」

私はコクリと頷く。

「それは気づいてないだけかもね〜。」

気づいてない…という事は
無いわけじゃないのか?

「まぁ、好きならそれでいいと思うよ〜
あったって何にもならないしね〜」

そうなのか。
蓮司先輩にはあるのだろうか。
明日聞いてみよう。
私は自分の部屋に戻り、
宿題を終わらせた。