今日も朝から学校だ。
玄関の前に立った。
先輩が居てくれますように…

ガチャ

ドアを開けるとそこには蓮司先輩が居て
「よっ」そう言って手をあげる。

「おはようございます。」

私は顔色を変えずに挨拶した…
つもりだったけど多分顔が赤い。
それに心の中ではすごく嬉しい。

いつもの事だが先輩と一緒に登校すると
ひそひそと陰口が聞こえる。
それは問題ない。
もう慣れたから。
でも…
〝あの人カッコいい〟とか
〝あの人好き〜〟とか聞くと
少しだけモヤモヤする。
というかチクチク?




「ヤキモチだね!」

岡野が言った。
ヤキモチ…か。
蓮司先輩にヤキモチ…
何かムカつくなぁ。

「大丈夫だよ!彼氏がいたら
嫉妬とか独占欲は必ず
生まれてくるから!」

岡野が言った。
嫉妬は分かるが独占欲……か。
少し分からないな。
自分だけを見て欲しいとか
自分に何かして欲しい…みたいな?
いや、それは違うそれでは
独占して欲しい欲だ。

私は独占をしたくないのか?
という事は私は蓮司先輩を
彼氏と思ってないのか?
確かにあんなオタクのヘタレ…
でも、確かに好きという気持ちは…
分からない…

放課後、私はモヤモヤしながら
先輩と帰り道を歩いた。
先輩は私を独占したいと思うのだろうか。
そもそも独占て何だ…。

「………て、おいっ、聞いてんの?」

はっ…。
蓮司先輩が言った。
全然聞いてなかった。
と言うか完全にうつむいていた。

「何か、考え事でもあんの?」

先輩が私の方を見て言った。
顔が近くなって熱くなる。

「いえ、別に…というか
何の話でしたっけ?」

「だから、今週土曜日遊びに
行かねーかって言ってんの!」

…それは…デート…という奴デスカ?
私はその言葉を飲み込んで

「いいですよ」

と返事をした。
先輩も笑顔になって

「そっか」

と言った。

よし、姉の出番だ。