先輩が驚いた顔でこっちを向いた。
何て言われるだろう。
仕方ない事だ。
このまま一緒に居ると
先輩を危ない目に合わせる事になる。
そうなる前に離れたほうがいい。

先輩は驚いた後すぐ
落ち着いた顔をした。

「俺の事、嫌い?」

先輩が言った。
嫌いなわけない。
好きだ。
でも、だからこそ
一緒に居てはいけない。
死んでほしくない。

私は首を振った。

「好きか嫌いで言えば?」

先輩は少しニヤついて言った。

「す、好き…です。」

私が言う。
顔が熱くなる。
先輩は顔お抑えてうつむいた。

「じ、じゃあ好きか
大好きで言えば?」

先輩が凄い小声で言った。
でも聞こえている。

「だ……大…好き、で…す。」

私も小さい声で言った。
すると先輩がこっちを見て言った。

「じゃ、別れない。」

「何でですかっ」

私は少し声を荒げて言った。

「好きなのに別れる必要ないだろ」

確かにそうだ、でも…
死んでほしくないから、
生きて欲しいからなのに…

そうだ。
言えばいいんだ。
理由を…
私の過去を。
いじめられている理由を。
そうすれば先輩も
きっと分かってくれる。
このまま誰にも言う事は
ないと思っていたけど、
言うしかない。

「先輩…。」

先輩と一緒にいられなくなる。
でもそれは私が決めた事だ。
1人になるのは慣れている。