告白して付き合い始めて
数日経つが、私は
蓮司先輩の、いや、
私の兄のことがやはり気になる。
聞いてはいけない事
なのかもしれない。
でも、知りたい。

まぁ、今は聞かないでおこう。

今日も玄関を出ると蓮司先輩がいる。
門を出て歩いていく。

「先輩、昨日も告白されてましたね。」

私が言うと先輩は
少しも照れずに、
涼しい顔で言った。

「あー、うん。」

「あの人、結構綺麗だったのに
何でですか?」

私が言うと先輩は
驚いた顔でこっちを向いた。

「OKしても良かったのか?」

先輩は少しニヤついて言った。
すると私の口から自然と
言葉が出た。

「良かった、良かった!
先輩の命失わなくて!」

「うっ、め、目が笑ってない…」

先輩は涙目でそう言った。
まぁ、実際そんなことしませんケド。

そんな話をして学校に着くと
岡野が校門の前で待っていた。

「ヒューヒュー!相変わらず
ラブラブだねぇ!」

大声で言う岡野を無視して
下駄箱に入る。
岡野もあとから追いかけてきた。

教室に入ると私と岡野の
席が無くなっていた。
窓から下を見ると
机と椅子、教科書などが
全て落とされていた。

まぁ、私は前にも何度か
同じようなことがあったから
平然としていられるが
岡野は流石に怒っていた。

「あー、だる。うっざ
誰だこれやったの?」

岡野が聞いたが誰も答えない。

「いいよ、やってやる。
このクラスの全員の
机と椅子と勉強道具
全部落としてやるよ!」

岡野は本当に怒っている。
クラスの女子たちは
かなり驚いていた。
岡野が1番前の席の机を
落とした。

ガッシャーン

ここは3階だ。
落ちた机や椅子は
大体壊れている。
続いて2番めの席。
3番めの席。
4番めの席。
誰も抵抗しない。
抵抗できないだろう。
5番めの席。
その時に1人が口を開いた。

「海原さんですっ」

泣きながら言ったのは山奈さんだ。

「山奈ってめぇ」

海原が怒って言った。

ちなみに山奈さんは
女子の中で暗くてあまり
喋らない子だ。
海原は男子の中で
ムードメーカー的存在だが
かなり陰険なやつだ。

「そぉいう事は早く言えよ山奈ぁ」

岡野は怒りで口調がおかしい。
顔も鬼のようだ。

「さぁ、海原、ぶち殺してやる」

ちなみに岡野は海原と
前に喧嘩をして勝っている。
まぁ、岡野の方が強いだろう。

「くっそ、死ぬのはお前だ。」

そう言うとカッターナイフを
振りかぶって海原が
刺しかかってきた。

ドクンッ

今度は私の友達が…
ダメだっ

私は岡野の前に立った
絶対に岡野は殺させないっ