イージーGeek

「ねぇ、蓮司くん!
これどれがいいかなぁ?」

「蓮司くん蓮司くん!
今度ここ行かない?」

「蓮司くん彼女いないのぉ?
なってあげようかぁ?」

俺の名前は佐原 蓮司。
自分で言うのもなんだが、
北宮高校2年B組のイケメンです。
学校に行くといつもこうだ。

俺は何でか知らないけど…モテる!
身長は普通、顔も普通
性格も普通、頭も普通
髪も短髪で珍しくない
普通の髪型だ。
ピアスは左の耳たぶに3つ
右は軟骨と耳たぶ1つづつ

それでも毎日告白されるし、
女子としゃべらなかった
日なんてないと思う。
でも俺には今まで好きな人がいない。
しかも俺には誰にも知られてない
秘密がある。

実は俺はオタクなんです…
家に帰るとフィギュアが飾ってあり
アニメのポスターが貼ってある部屋で
アニメを見てゲームをして
漫画を見てニカニカ動画を見て、
過ごしている。

今日も学校の帰りに路地裏にある
書店で欲しかった漫画を
買いに行くつもりだ。

もしこの秘密がばれたら
俺は悲しい高校生活を送ることに
なるだろう。
そんなのは嫌だから、
この秘密は誰にも言わずに隠しておく。


キーンコーンカーンコーン


学校が終わった。
友達と少ししゃべって、
書店に向かう。

しかし路地裏には不良が溜まっている…
私服で行くときは
帽子をかぶって顔が見えないように
行くのだが
学校の帰りで帽子なんて持ってない…
まぁ、普通の高校生として
歩けばいいか。

路地裏を歩いていると
1人の少女が4人の不良絡まれていた。
よく見るとうちの制服じゃん…
うわぁ可哀想だな…
助けようかな…

でも俺が行ったって、
何の役にも立たないよな…
恥をさらすだけだよな……………
いや、ここで行かないほうが男が廃る!
助けに行かな______


ドコッバコッガンッバキィッ


………え?
何が起こった?
一歩踏み出そうとしたら、
少女が不良をボコボコに…
その少女がこちらを振り向き

「貴様も仲間か?」

と冷たい目でこちらを
睨みながら言った
ヤバい…
これはマズイ、命に関わる。
逃げなきゃ…
走って逃げなきゃ粉々にされるっ…
でも足が動かない……
必死に声を出して、

「しゅ、しゅびばせんっ」

噛んでしまった…
ここにいてはいけないと思い、
棒になった足を必死に
曲げながら走って逃げた。

これはイケメンの
ちょっと変わった1日である