イージーGeek

先輩は驚いた顔をしていた。
仕方ないだろう。
学校でいじめられていた
根暗で喧嘩の強い女に
告白されたのだから。

「何で?」

先輩は顔を赤くして
こちらを上目遣いで見た。
か、可愛い…

「何でって言われても
困ります。大切な人だからです。」

私は涙を拭くようにして
目を隠しながら言った。
顔が熱い。

「そーじゃなくて…その、
岡野が言ったのか?」

蓮司先輩が言った。
私は顔が赤くなっているのを
気にせず、手をおろして
まっすぐ先輩の方を見て
言った。

「何のことですか?」

目をそらしてはダメだ。
この気持ちを否定してはダメだ。

「だから、その俺の
す、好きな人のこと」

蓮司先輩が言った。
先輩はまだ顔を隠している。
そういえば岡野が
そんなことを言ってたな。

「聞いてないです。」

私が言うと先輩は顔を
隠すのをやめて言った。

「あーあ…台無しだ…」

だが、顔は赤いままだ。

何のことだろう。
まぁ、振られるのは
想定していた。
このままここにたら
私の心が潰れてしまいそうだ。

「私、帰ります。」

そう言って私は家に走った。
涙が止まらない。

「待てよっ」

蓮司先輩が私を
止めようとする
声が聞こえていた。

ダメだ、振り切れ。

家に帰って自分の部屋に入った。
涙は止まらない。

そうか。
振られるのは想定内だった
でも、振られた悲しみは
想定してなかったんだ。

結果はどうあれ、
気持ちを大切にすることは
出来たじゃないか。

そうだ、明日からは
友達として蓮司先輩と話せば
いいじゃないか。
まだ聞きたいことがあるし
お弁当も一緒に食べたい。
先輩の声をもっと聞きたい。
一緒に居たいし、
一緒に話したい。





何だ…少しも吹っ切れて
ないじゃないか。________