そんな私は、全寮制という言葉に惹かれて、その制度がある高校を探して、そこに入学した。
特にこれといった理由はないけれど、強いて言うなら
“親のすねをかじるのに飽きた”
という事なのだろうか。
母親には反対されたが、最大の権力を握る父親に“好きにしろ”と半ば切り捨てられる形で言われて、私はここに入る事ができたのだけど。
「せっかく籠から出られたと思ったのに」
家から出たとあっても、私の名前には《 轆轤院 》の称号がある。
どこへ行っても特別扱いされる。
それがいやで出てきたのにも関わらず。
みんな、立場が上の者にごまをすって生きていく方法しか知らないんだ。
権力なんて、悪用する人間の方が多いだけ。
「…何が大財閥よ。」
……何が“轆轤院家”よ。
そう皮肉をこぼすと、窓の外に広がる紅葉と、はるか先に広がる山々に目を移した。
