青春イノチ

「勝つためには、練習を苦しんで苦しんで、それに耐えられる忍耐力が必要だ。
それなのに楽しんで、笑いながらやるってのはどうかと思う。なぁ？どうだ、えぇ？」

監督からのお叱りの言葉。
笑いながら、楽しみながら練習していた私が気にくわないらしい。

「忍耐力がつかないと、ここぞという時に勝てない。辛い状況が耐えられない。それを鍛えるのが今の練習なんだ。
試合を意識して、練習しろ。そしたら笑顔なんて出ないはずだぞ。お前、試合中の重要な場面で笑えるのか？」

言葉が出ない。
言いたいことは沢山ある。
ーーー苦しみだけが練習じゃない。
忍耐だけが必要なんじゃない。
苦しみも、忍耐も、確かに重要で 必要だ。けど！
それを一蹴して楽しむところまで行かないと、勝ち残れはしても、勝ち上がることは出来ないんじゃないの！？

悶々と、ただ悶々とその日は練習に追われた。
楽しかったはずの部活動が、苦しみだけに変わる。

好きなスポーツを、どうやって苦しんでやれって言うのだろう。
楽しいスポーツを、どうやって苦しみまで持って行き、忍耐力を鍛えるのだろう。
今まで、楽しいとしか考えたことなかった。
どんなに辛いフットワークの練習でも、練習試合でも、相手にどんな態度で練習されても、最終的には「出来て楽しい」「今日もやりきった」って…
こんな状態で、どうやって部活を苦しんでやらなきゃいけないんだろう…