秋は春の選抜甲子園の予選。新チームになり、未完成のチームばかりでどのチームも優勝の可能性がある。新チームでは夏の好投が認められて裕也がエースとなった。俺もレギュラーになった。それもキャッチャーとして。新チームにキャッチャーがいなかったため経験のあった俺がやる事になったのだ。驚きはしたが嬉しかった。裕也の女房役になるのだ。俺は中学時代から裕也のピッチングを見てきたし裕也の性格や癖もわかっていたのでその時に投げたい球種まで大体はわかるようになっていた。いつも自分達で「黄金バッテリーだな」なんて言っていた。その後の練習試合でも俺のサインに裕也が首を振ることはなかった。そして秋のブロック大会。全20ブロックに分かれて予選を行う。組み合わせも良くブロック優勝した。ベスト20が出揃った本大会には予想どうり無名校も上がってきていた。俺達はスムーズに決勝まで進んだ。決勝戦の相手は夏の優勝校。しかし気負いはなかった。序盤から相手ピッチャーの甘い球を見逃さずに攻め続けて大差で勝利し春の選抜への切符を手に入れた。こうして俺達の全国制覇への道が始まった。



