同じ高校に入学すると言っていた俺と裕也だったが、お互い何校かから推薦の話が来ていたが二人を欲しいと言う高校はなかった。そして俺達は甲子園の出場経験はないが東京で強豪と言われる高校のセレクションを受けて合格した。セレクションでもレベルの高い選手が多かった。俺達は2軍でアピールをしていた。先に1軍に上がったのはやはり裕也だった。俺も後を追うように1軍に上がった。高校初の全国夏の甲子園予選大会。俺と裕也はベンチ入りできた。初戦はシードで三回戦からだったが出番なくチームはコールド勝ち。その後もお互い出番はなかったがチームは順調に勝ち上がった。そして迎えた準決勝。先発に指名されたのは裕也だった。裕也は嬉しそうにマウンドに上がった。相手校は甲子園の出場こそないが昨年も都大会準優勝の強豪校だ。しかし裕也は楽しそうに投げていた。五回までパーフェクトピッチングで1年生とは思えない堂々たるピッチングだった。その後、連打を許した所で降板したが六回無失点の好投だった。しかし変わった先輩投手が打ち込まれて裕也の高校初勝利は消えた。そして裕也の初勝利と共に甲子園出場も消えた。しかし俺達はもう秋の大会の事を考えていた。