唯一愛した君へ




『…優梨お願いっ!』


でも引かずに、手を合わせて懇願してくる美桜に少しだけ押されてしまった。


『じゃあ、せめて違う場所にしない?』


それならまだ平気でしょ。


『駄目なのよぉ!あそこじゃないとっ!あそこでね、踊ってた人に一目惚れしちゃったのぉ…』


恥ずかしそうに頬をピンク色に染める美桜はとても可愛かった。恋する乙女だった。



『…だからお願い!優梨もついてきて…っ!みんな踊りに夢中になって協力してくれないと思うしぃ…あたし優梨が居てくれたら心強いの!』


がしっとあたしは両腕を掴まれた。
その美桜の目は真剣そのものだった。あの人のことを少しでも知りたい。そんな…目をしていた。



悩んだあげくあたしは、
『……いいよ…』
そういってしまった。


どうしても断ることは出来なかった。鷹巳と付き合う前のあたしと同じだったから。