自分の髪の先っぽをつまむ。
今は明るい茶色になっているこの髪も、昔は真っ黒だったなあ…。
理由なんて特になくて、ただいろんなことに面倒臭くなった…それで真っ金に染めて、美桜達の派手なグループとツルむようになった。
それがいけなかったのかなー。
関係もないくせに教師達はとやかく言ってきて。
『道を踏み外すんじゃない』
『君はそんなコじゃないだろう』
『みんな期待してるんだぞ』
そんなこと言われたっけなあ。
あの時のあたしには雑音にしか聞こえなかったけど。
あんたらはあたしの何を知っている?
勝手に将来決めてんじゃねぇよ。
そんな風に思って、心底呆れていた。冷めた人間だった。
そういえば、一回キレて教師に掴みかかろうとしたことがあったけ…。
その時、美桜達が守ってくれた。途中から入ってきたあたしを。
そんな馬鹿みたいな奴、放っとけばいいじゃん。