本当に、安心したんだ。
優梨が幸せそうで……
本当に良かった………
それを知ることができて、良かった…。
―――だから、
その幸せを俺が壊すなんて、
できる訳がない…。
俺は……行ってはいけないんだ。
俺の存在は、今のあいつを、動揺させるだけでしかないから。
――――気を緩めると、どっと押し寄せてきそうな、奥底に沈む俺の黒い本心を、
押し潰すように、手のひらを爪痕がつく程ぐっと握り締めて。
何度も、何度も、……自分に言い聞かせた。
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