『お前、あの梶木鷹巳なんだろ?』 頭上から掛かった声にそいつを見やれば、見覚えのない顔だった。 …いや、俺が覚えのある顔の方が、早々いないのだが。 『…あの、かはわかんねぇが、俺は梶木鷹巳って名前だ』 毎日1度ある外の時間。 決められた場所の中でなら、何をしてもいい。 けれど、何もする気がなく、コンクリートに腰かけていた俺は、淡々と呟いた。