『お前、最近よくここらへんうろついてただろ?ナンパ待ちか?』
「なっ…!」
たった今まで一部始終を見て来たはずなのに、一体何を見ていたんだ。
そういってやろうと思ったが、口を閉じた。
『分かってる。冗談だって』
“さっきの顔見てればな…”
そう言って、可笑しそうに目を細めた。
その瞬間怒りがどこかへ飛んでいった。
ていうか……
「知ってたの…?」
あたしが来てたこと――
『あぁ。まあ…』
なんだか脱力感に襲われる。
こんなに探していたあたしは、この人に気付かなかったのに。
この人は気付いていたなんて…。
はあ…

