『やめたいとは思った。でもやめたところで、俺には居場所もなんもねぇし、無意味だと思って続けてた』
それが、駄目だった。
それとも逃れられない運命だったのか?
いつも、暗い暗い闇――夜で生きていた。
『…元々、人間嫌いでさ。更にむしゃくしゃすることが多くなって…。
喧嘩が、暴力がその吐け口になってたんだ――…』
血なんて当たり前。
人が周りに転がっていて。
喧嘩が終わるとよく、朝陽が出ていた。
上り詰めていたその先に、見えたのは――…ちっとも綺麗じゃない朝日。
俺がいる、“ここ”から見る景色はいつだって、何だって、くすんで淀んで汚れて、虚しくなるだけ……。
だから、あの海で見た朝陽は本当に…綺麗だった。