優梨のことになると、熱くなるこいつは、どうしても憎めんかった。
『ちゃうわ。勝手に勘違いしてんじゃねぇーよ』
梶貴鷹巳を潰す為に、優梨を人質に取ったとでも思ったんだろ?
ばっかじゃねぇ?
そんなことするわけあらへんやろ。
まだ疑う鷹巳を見て思った。
こいつ、今まで優梨と付き合ってる間も……そうやって優梨のこと影で護ってたんかっ、て。
『…俺は、お前と同じや』
“優梨を――愛してる。”
目を見開いた鷹巳は、少し滑稽やった。
そんでもって…なんや、ただの未成年やんかこいつ…って思うた。
ただ黙ったままの鷹巳に、俺は構わず話を続ける。
『戻らないって言ってたな?ここ出たら、どうするつもりなんだよ?』
『…普通に生きる。あそこには一生戻らねぇよ』
俺から顔を逸らし、めんどくさそうに、でも意志を固めている口調をしていた。
『迎えにいかねぇのか…?』
鷹巳がまたこっちを向いた。
真っ直ぐ…、俺と視線を合わせる。
俺の思惑を探るように、瞳が揺れていた。

