『誰だ、そいつ』
低いトーンが、この密室に響く。
俺は、全てを確信した……。
『前、付き合ってた女の名前も忘れたか?』
目の色が変わった。
あの初めて会った時と同じ瞳。
すさんだ…瞳。
だけど少し違う。
何かあの時の鷹巳とは違う。
『あいつに何した』
ドスの聞いた低い声を出す。
誰かを守ろうとする瞳。
そんな光りを感じた。
『俺はもう、頭じゃねぇ。戻るつもりもねぇ。あいつに手ぇ出す必要ねぇだろ!!』
冷え切った瞳をした生意気な未成年……
そんな印象のこいつを………俺は嫌いだった。
なんでもクールで無表情。
なんにも信じてねぇって顔して。
この世界もこの世の中も、全部興味ねぇって顔して。
年下のくせに、おとなびやがるこいつが、ムカついてしょうがなかった。
けど……違てたんやなっ?

