唯一愛した君へ




なんて得な性格をしているんだ。

ある意味、羨ましい。

だけどこのまま迷惑な勘違いをされたままなのは、癪に触る。
なにより、苛々してしょうがない。


「あたし、馬鹿キライだから」


そう言った瞬間、男は面食らったような顔をした。

あー、すっきり。

まだ何回かしか履いていないパンプスの音を響かせるように、一歩踏み出した。



『てめぇ!』


いきなり腕を掴まれたかと思えば、両肩を押さえられていた。


『女のくせに調子乗ってんじゃねぇーぞっ!!』



手加減なしの力は痛い。
両肩がヒリヒリと痛みを発する。


「い、痛いっつーの…!!」


男は聞こえてるはずなのに、聞こえていないような感じであたしを見ている。