麻莉は、相変わらず目を覚まさない。 集中治療室の窓越しに、 『俺、ドナー見つかったよ。手術受けるから。』 聞こえたかな? まあいいか。麻莉。起きてくれよ。 俺は病室に戻り、声を殺して泣いた。 早く麻莉の声が聞きたい。