あいつは、俺の病室の隣に突然入院してきた。
俺の名前は、岩瀬拓人。今年で中3。
あいつの名前は、中岡麻莉。同じく、中3。
俺は、心臓病で、2ヶ月前から入院している。
あいつは、肺がん。
病気は違うが死亡リスクはどちらとも高い
俺は、ドナーが見つかれば。
あいつは、再発しなければ
助かる可能性は、とても高い。
賑やかな隣の部屋。
(うるさくて寝れねぇー。)
「あのー。少しうるさいんですけど…。」
「ごめんなさい。うるさくて。私は、中岡麻莉って言います。よろしくおねがいします。」
「おぅ。俺は、岩瀬拓人だ。よろしくな。」
この頃からあいつは、夜な夜な泣くようになった。
隣から聞こえる嗚咽。
きっと寂しいんだろう。俺は、自分の病室から出て、隣の病室に入る。
「大丈夫か?泣き声聞こえたけど。」
「だ…いじ…ょう…ぶ。俊…ちゃん。」
「俊ちゃん?誰それ。」
「あ、ごめんなさい。忘れて。」
「あそこまで聞いたら気になるじゃん。」
「うん。わかった。俊ちゃんは、同い年の男の子。めっちゃかっこよかった。2年前に心臓病でなくなったの。」
「……わり。聞いて。」
「ううん。少し楽になったから。」
「なんか俺と似てるなー。」
「えっ。」
「別に、かっこいいに反応したんじゃなくてさ。心臓病とか。」
「岩瀬君…心臓病なの?」
「そ!あ、呼び捨てでいいから。でも、俺は死なないよ。絶対。」
「拓人くん。生きれる自信あるんだね。」
「まぁ、な。」
「ねぇ、私の名前読んで!呼び捨てで。」
「なんで?」
「お願い。」
「わーったよ。……麻莉。」
俺こいつのことが好きなのか?
かおが暑いんだけどさ。
絶対そうだ。
っていうか似てるのかな。俺と俊ちゃんってやつ。
そういえば、夏菜と麻莉も似てるなー。