今は、手術台の上。

麻酔をかけられた。麻酔に混じって入ってきた睡眠薬で俺は眠りについた。

『………ここは、どこだ?』

急に真っ暗な中にいる俺。

『ここは、天国へつながる道。あなたは、この先にはまだ来てはいけないのよ。拓人。』

その声は、………麻莉?

『そうよ。ごめんなさい。先に死んでしまって。私のぶんまで生きて。おね……が…い。』

そう言うと、麻莉は消えてしまった。

バッ!

俺は、ベットから起き上がる。

隣にいた母さんが気がつく。

「拓人。無事でよかった。手術が成功しても、3日間目を覚まさなかったんですもの。」

「俺、麻莉に助けられたんだ。夢の中に麻莉が出てきて、『まだ来てはいけないの』って追い返してくれた。」

「そう。」