『今日。午後6時頃。男の子が、頭から血を流して倒れている。という通報がありました。死亡していたのは、岩瀬拓海君で、○○マンションの屋上から飛び降りた。という証言もあり、自殺と考えています。実際、屋上には、綺麗に揃えられた靴と遺書とみられる手紙が、残っているということです。』

拓海が、死んだ。

俺の家族と、俺は愕然とした。

その次の日、お通やが、行われた。

俺には、たった一人の兄弟。たった一人の双子の兄。だった。

お葬式には、彩の家族も責任を感じて参加してくれた。

拓海の遺書には、『ゴメンな。母さん。父さん。拓人。俺、彩が死んでから生きる意味がなくなったんだ。家には誰もいなかったし、ちょうどその頃に、彩が死んだっていうニュースが、流れたんだ。この手紙を読んでる時、この世に俺はいないだろ。天国で、最愛の人。彩と幸せになるよ。こんな子供でごめん。親不孝な俺でごめん』って。