ちょうど2年前。
俺、岩瀬拓海。
隣に俺の恋人。上野彩。

俺達は、
「拓海。」
「彩。」
と呼び合い平凡な日々を過ごしてた。

ある日の朝のニュース。

『ここで、臨時ニュースをお伝えします
昨夜、午後8時過ぎ。女の子が、誘拐されました。女の子は、家に誰もいなくて、自動販売機で飲み物を買って戻る途中誘拐された。あっという間の出来事だった。と近所で目撃した人は証言しています。女の子の名前は、上野彩さん。中1。ピンクのパーカーに白のロングスカートを履いていて、水色のシューズを履いているということです。警察は、女の子を必死に捜索しているということです。この頃誘拐事件が多いですからね。みなさんも気をつけてください。以上臨時ニュースでした。』


「嘘だろ。彩が誘拐された。」

俺はどうすることもできずに学校へとしぶしぶ向かう。いつも嫌でも耳に入ってくる授業が、今日は全然入ってこない。

隣の席の双子の弟、拓人。

お前も苦しいんだろ?

夏菜の事で。夏菜は骨肉腫で、入院中だからな。